2014年夏  カチカチ山のヤマノイモ科植物 (夏期自由研究) トップに戻る
カチカチ山への道すがら、やまいもらしきものを見かけるが、名前も性質も知らないし、その区別もままならないので、それらの区別、違い、見分けのポイント等を調べた。

日本には古来、山芋と里芋という二種類の芋があった。メラネシア系食文化のタロ芋の中から北方の風土に適した系統として里芋はすでに縄文時代の日本に導入されていて稲作の普及以前の焼畑農業の主要作物であったとされる。
里芋は、山野に自生していた「山芋」に対する名称である。山芋は里芋よりも古くから日本にあっただろうから、その頃は単なるイモ、(古代語ではウモと発音した可能性)だった。
山芋、学術的に言うと、ヤマノイモ(山の芋、学名:Dioscorea japonica)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草。
種名に japonica と付いているように、里芋が古代の外来種であるのに対し山芋は日本原産である。
中国原産で後に日本に移入されたナガイモ(D. batatas)の類が現行の栽培種であるが、ヤマノイモは今日ある芋の中で唯一の日本原産の芋である。(ジャガイモの原産は南米アンデス高地 サツマイモはメキシコ付近の熱帯アメリカ)

ヤマノイモ科の植物は雌雄異株とある。知らなかった。まずペアを見つけ確定することから始める


ヤマノイモ
雄花 花序は上向で姿が整っていて美しい。花弁がほとんど開かない。(開かないので花粉はどうやって雌花に?)
ヤマノイモ 雌花 花序は下向き 咲きつつあるものと右のように花序の基のほうが果実になっているものもある。
ヤマノイモの葉は対生。
ヤマノイモの類で葉が対生なのは、ヤマノイモかナガイモ。他のヤマノイモ属は互生なのでヤマノイモは見分けやすい。 
雄株の葉と花 雌株の葉の付け根。
葉脇には小さむかご(珠芽)ができつつある。
多くの植物に共通するが、ヤマノイモの葉の形状も雄雌の差や個体の差よりはが付いている部分での違いの方が大きい。
ヤマノイモ葉の形(雄株) ヤマノイモ葉の形(雌株)
ヤマノイモにはむかご(零余子)ができる。種子は雌株にしかできないが、むかごは雄株にもできる。むかごは地に落ちては種子より早く成長する確実な繁殖戦略である。 種子繁殖では通常、雄雌の割合は1:1であるが、 むかごはその個体のクローンであるため、雄のむかごからは雄が、雌のむかごからは雌ができるはずである。
栽培種のナガイモの場合、種子をつける雌株はその分のエネルギーを必要とするので、根塊への蓄積が減り芋の収量が落ちると見なされる。(これは理屈。 実際の畑では雌株混ざりもあるらしい)
雌雄異株の身近な植物は、アスパラガス、ほうれん草、キウイフルーツ、銀杏(いちょう)、キンモクセイ、アオモジ、アオキ、
クロガネモチなど。


オニドコロ
根茎には強い苦みがあり有毒とある
オニドコロ 雄花
雌株 雌花 子房の拡大
雌花拡大 雄花拡大
オニドコロの葉 オニドコロの葉

カエデドコロ
カエデドコロは葉の形がカエデ風だから。温暖化対策の緑のカーテンとして庭植えによいかも。
カエデドコロの地下茎は横に這うとあるが(ネットの随所)形状の記述、実物写真など具体的情報はなく、全てコピペ情報。かく言うこのページも根に関してはコピペ。
カエデドコロ雄花
カエデドコロ雌花 オレンジ色を帯びる
カエデドコロ雌花 拡大
受粉後子房が反り返って上を向く
カエデドコロ雄花 拡大
カエデドコロの葉は凹凸のある楓様にならないものも多い。葉の大きさや付く場所で形状は変化する。