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平群の自然 身近な生き物
 皆さんにとって身近な生き物は何ですか? 犬、猫などのペット、スズメやカラスなどの鳥でしょうか。もちろん、ヒトも身近な生き物ですが、馬や牛も今では身近な生き物ではありません。だから、身近な生き物の名前をあげていくとそれほど沢山の数にはならないでしょう。では、「身近」という条件を外して、生き物の名前を幾つあげられますか? ゾウ、キリン、カバ、ワニ、ライオン、トラ、ヒョウ、チータ、サイ、シマウマ、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、パンダ、コアラ、カンガルー、フラミンゴ、ペンギン、ペリカン、ハチドリ・・・・なかなか数え終わらないほど沢山知っています。つまり、生き物の種類について言えば、あなたにとって、身近な生き物は少なく、身近ではない生き物が多いと言うことになります。はたしてそうでしょうか。

実は、私達にとって最も身近な生き物の一群は虫です。スズメやカラスといえども通常は数メートルの距離までしか近づけませんが、虫の場合慎重に近づけば1メートル以内にも接近できます。物理的には特に身近な生き物が虫なのです。しかし、虫はそれほど身近な生き物であるにもかわらず多くの人は関心も知識も持っていません。 と言う私も、チョウやトンボなどの一般名称は言えても、何蝶や何トンボと種名をいうことはできません。チョウとトンボの区別ができるというのは自慢にもなりません。鳥と飛行機が区別できる程度の低いレベルなのですから。

  見たこともない鳥、例えばホトトギスやカッコウの漢字を知っていたり、読んだこともない書物の作者、あるいは行ったこともない外国の歴史や人物など、たくさんのことを知っている知識豊富な人々でも目の前をたびたび横切るきわめて身近なトンボの名前は知らないことが多いのです。
自然を大切にと多くの人が言います。アマゾンの森林が減る、オゾンホールが大きくなる、アルプスの氷河が後退した、など大きな問題を考えるのもよいですが、その大自然の続きである私たちの足元で生き物達がどうしているか、ちょっとしゃがみ込んでみるのも悪くはないでしょう。むしろ、自分の足元の自然を知らずに地球や大自然を語るのは身の程知らずの感がします。
 『森を見て木を見ず』でしょうか。そう言うわけで、身の回りの小さな生き物をカメラで追い名前を調べてみました。

身近なものは知らず、難しいことは良く知っている、知識のアンバランスの社会に逆らって・・・・

一夏に命を輝かせ、知らぬ間に消えていく小さな生き物達が我が家の庭だけでもなんと多くいることか驚かされます。
とは言うものの、私的な趣味の範囲なので個人的に付き合いたくない虫を避けています。
珍しいものを追い求めるマニアの世界ではありません。ごくありふれた身近な虫の名前を知ってやろうと言う人だけお付き合い下さい。